海外移住の基礎知識

海外現地採用の社会保険はどうなる?を知識ゼロから優しく解説-その2【2020年版】

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社会保険2

本記事は前記事「海外現地採用の社会保険はどうなる?を知識ゼロから優しく解説-その1【2020年版】」の続きです。

前の記事

前回の記事では、日本の社会保険の概要についてまとめました。
本記事ではこの社会保険制度について、海外在住者はどのように取り扱われるのか、社会保険に継続加入する場合としない場合のメリット・デメリットについてご紹介します。

この記事で解説していること

この記事のまとめ&知っ得内容

  • 日本に住所がない(住民票を抜いている)場合は社会保険の加入義務はない
    →国民年金・健康保険に加入しなくてもいい

  • 以下A-C3つのオプションがある
    A. 住民票を残して年金・健康保険に加入
    →国民年金保険保険料、国民健康保険料、住民税がかかる

    B. 住民票を抜くが任意で国民年金に加入(健康保険には加入しない)
    →住民税と国民健康保険料はかからないが国民年金保険料がかかる

    C. 住民票を抜いて年金・健康保険に加入しない
    →国民年金保険保険料、国民健康保険料、住民税がかからない

以下で詳しく説明していきます。

日本の社会保険制度の海外在住者に対する取り扱い

日本の社会保険は原則、日本に住んでいる人を対象としています。
そのため、日本にある住民票を抜いた場合は年金保険や医療保険の加入義務がなくなります任意で継続して加入したい場合は年金保険(国民年金)のみ可能です。医療保険(国民健康保険)は住民票がなければ加入できません。

分かりやすく図にすると以下のようになります。A~Cまで3つの選択肢があります。

  • 3つのオプション
    A. 住民票を残して年金・健康保険に加入
    →国民年金保険保険料、国民健康保険料、住民税がかかる

    B. 住民票を抜くが任意で国民年金に加入
    →住民税と国民健康保険料はかからないが国民年金保険料がかかる

    C. 住民票を抜いて年金・健康保険に加入しない
    →国民年金保険保険料、国民健康保険料、住民税がかからない

ところで、前回の記事で、社会保険は以下の5つの保険で成り立っていると説明しました。

  1. 医療保険:病気・怪我をしたとき3割負担で医療機関の受診ができる
  2. 年金保険:原則65歳から受け取れる老齢年金、遺族年金、障害年金などを含む
  3. 介護保険:要介護・要支援の認定を受けた場合、給付を受けられる
  4. 雇用保険:失業した際、失業給付や教育訓練給付等が受けられる
  5. 労災保険:業務上・通勤途上における病気やケガに対する給付が受けられる

この内、4.雇用保険と5.労災保険は日本の企業が加入するものなので、海外就職する場合は加入できません。3介護保険は、40歳以上の健康保険加入者全員が加入するものです。40歳以上の方で、海外に住んでいても日本の健康保険に加入していたい、という方は介護保険も自動的についてくるということです。

日本の社会保険を継続する/しない場合のメリットとデメリット

Case A-Cのメリットとデメリット

メリットは青色デメリットは赤色

Case A 健康保険に加入、国民年金に加入

住民税・住民税の支払いがある
健康保険・日本帰国時に3割負担で受診できる
・海外で支払った医療費の一部の払い戻しができる
・健康保険料を支払いがある
国民年金・将来受け取れる年金の額が増える
・万が一の際、障害年金・遺族年金を受け取れる
・年金保険料の支払いがある

Case B 健康保険に加入しない、国民年金に任意で加入

住民税・住民税の支払いがない
健康保険・健康保険料の支払いがない
・日本の医療機関で受診する際は全額負担となる
国民年金・将来受け取れる年金の額が増える
・万が一の際、障害年金・遺族年金を受け取れる
・年金保険料の支払いがある

Case C 健康保険に加入しない、国民年金に加入しない

住民税・住民税の支払いがない
健康保険・健康保険料の支払いがない
・日本の医療機関で受診する際は全額負担となる
国民年金・年金保険料の支払いがない
・将来受け取れる年金の額が減る
・万が一の際、障害年金や遺族年金を受け取れない

【注意!】海外移住前にチェックすべき他のこと

住民票を抜く人は銀行口座、証券口座、民間保険の解約を忘れずに!

一部の銀行口座、証券口座、民間保険は海外居住者の口座維持をNGとしている場合があります。見落とされがちなポイントなのですが、チェックしておきましょう。

主要な銀行による非居住者への取り扱い
条件付きで口座維持可能な銀行
三菱UFJ銀行、三井住友銀行、SMBC信託銀行、みずほ銀行など
口座維持NG
ゆうちょ銀行、ジャパンネット銀行、楽天銀行、セブン銀行など

移住前に、海外居住者でも口座維持が可能な銀行の口座を開設しておきましょう。

現状、加入者が日本に居住しているかどうかをわざわざ確認するケースはありませんが、マイナンバーとの連携が進んでいくと予想されるため、面倒を避けるならば解約をしておいた方がいいでしょう。

移住前にクレジットカードを作っておこう

非居住者となると、通常通りのサービスを受けられなったり、手続きが複雑になることも多々あります。その代表的なものがクレジットカードです。

また住民票を残していたとしても、日本での収入がゼロになるという方に関しては、海外移住後に収入の証明ができずクレジットカードの審査に通らない可能性があります

クレジットカードの作成は海外に出る前に絶対に済ませましょう。

運転免許証の更新

運転免許証の期限についても確認して、必要があれば事前に更新しておきましょう。免許証と住民登録は紐付いていないため、住民票を抜いても更新のお知らせハガキは発送されます。実家などへ郵便の転送手続きもしておくことをお勧めします。

まとめ

箇条書きにまとめました。

  • 住民票を残す場合は社会保険(年金・健康保険)に加入する義務がある
  • 住民票を抜く場合は健康保険(国民健康保険)に入れない。
    国民年金への加入は任意。
  • 住民票を抜く場合は銀行口座、証券口座、民間保険の解約が必要な場合がある
  • 移住前に必要に応じて銀行口座開設(非居住者でも口座維持できる銀行で)、クレジットカードの作成、運転免許証の更新等を行う

面倒な手続きが多いですが、損をしないためにも移住前に是非チェックしてみてください。

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