前回の記事で、2021年度の行政書士試験の自己採点結果について書きました。
前回の記事はこちら
ご覧いただいた方には周知かとおもいますが、記述結果待ちのものの不合格の確率が極めて高いという結果です。
そんな私が偉そうに行政書士試験について何か語れるわけではないのは重々承知おりますが、お世話になったアガルートさんについてだけは、資格学校選びに悩んでいる方にむけて情報を発信したいなと思い、この記事を書きました。
私が受講したのは、『アガルート 行政書士試験 速習カリキュラム』なのですが、受講を決めた2021年5月当時、速習講座に関するアガルートの評判があまり検索でヒットせず、実体験に基づいた方の忖度なしの率直な意見を知ることができませんでした。
(公式HPには速習講座を受講して合格された方のインタビュー動画があります。こちらはとても参考になりました。)
他校よりもお手頃な受講料とはいえ、約10万円~の受講料、及びこれから捧げる数百時間の学習時間を無駄にしたくはなかった私は、受かった方の話しはもちろん、落ちた方の体験もきいてみたいと思っていました。
不合格代表(まままだ決まったわけではないぞ)として皆様にご報告するのは誠に遺憾ではあるのですが、受講を検討されている方に届いたら嬉しいです。

ちなみにアガルートの速習講座はまだ販売開始されていません。販売時期は知りません。
①アガルートの行政書士 速習講座とは
アガルートの行政書士速習講座とは、短期間で行政書士試験の合格を目指す方向けの講座です。
✓通常のカリキュラムよりも安価
✓入門総合カリキュラムよりも講義数(憲法・商法)が少ない
✓入門総合カリキュラムよりも講座数が少ない
(例:短答過去問解説講座がついてない等)
※毎年度情報が更新されると思うので、詳細は公式HPをご覧ください
以下、公式HPからの引用です。
本カリキュラムは,2021年の行政書士試験の合格を目指す方を対象として,限られた時間で最大のパフォーマンスを発揮するために,講座の内容を厳選した速習カリキュラムです。
比重の高い民法・行政法,足切り点をクリアしなければならない一般知識はフルボリュームで,憲法・商法は範囲・分野を絞って,短答過去問は独習用にテキストのみといったように,今から合格するために現実的に消化可能であり,かつ,合格可能なものに厳選して,講座を詰め込みました。
今から学習を開始して合格を目指す方,独学で始めてみたものの思うように成績が伸びない方が,一気に飛躍するために最適のカリキュラムになります。
https://www.agaroot.jp/gyosei/list/sokushuu_cr/

入門総合カリキュラムより安くていいな!と思いましたが、不安な点もありました。
②アガルートの行政書士 速習講座の受講前に不安だったこと
不安その1)速習講座の内容だけで合格レベルまで知識がつくの?
初学者向けの『入門総合フルカリキュラム』と比べて講座数、講義数が少ないので、法律を全く勉強したことがない私にとって不安でした。
不安その2)実際に速習講座を受けた人の合格率が不明
速習講座で合格された方のインタビューは数件あるようですが、合格率は公表されていないようです。
令和二年度の合格率は67.2%とありましたが、母数は速習講座ではなさそう…。
不安その3)速習講座を実際に受けた方の忖度なしの意見がウェブ上で見つけられない…
入門総合講義よりも速習講座を受ける人の方が少なそうなので、情報が少ないんだろうなと思います。
もしくは私の検索スキルに問題があったのかもしれません。
補足)以上3点の不安があってもなおアガルートに決めた理由
・短期合格を目指すのに、入門総合講義はボリュームが大きすぎて消化不良に陥りそうだった
・豊村先生の講義がわかりやすそうだった
(→聞きなれない法律用語を優しい言葉に都度おきかえて説明する初学者への配慮や、勢いのある講義に惹かれました。)

他校のパンフレットも取り寄せて無料体験講義を受けましたが、自分に合う先生を選ぶのが一番だと思い豊村先生がいるアガルートに決めました。
③アガルートの行政書士 速習講座を実際に受講してみてどうだったか
上に挙げた不安点は、これから行政書士の速習講座を選ぼうとしている方はみんな抱くと思います。
不安②と③はここで取り上げても仕方がないので、不安①について私なりの感想を書いていきます。(→不安①:速習講座の内容だけで合格レベルまで知識がつくのか)
落ちた私が言うなという感じですが、率直な感想なので許してね…
講義数(インプットの量)について
速習講座は入門総合講義と比べて、憲法・商法の講義数が少ないです。
※2021年度の情報です。2022年度どうなるかは公式HPの掲載をお待ちください

引用 https://www.agaroot.jp/gyosei/list/sokushuu_cr/
多分落ちてる私が言うのはおこがましいのですが、インプット量は十分すぎるくらいあったなというのが印象です。講義が削られている憲法・商法を含め、市販のテキストを買い足す必要性は感じませんでした。

もともと他校と比べて講義時間めちゃくちゃ長いみたいです。
説得力があるかは分かりませんが、本試験での憲法は満点、商法は3/5正解(間違えた内の1問は没問疑い)でした。
模試でも憲法は満点をとることが多かったし(なぜか得意)、商法も5問中3~4問は安定してとれていました。
ただし、商法は頻出分野の講義のみしか収録されていないので、カットされている箇所は自分でテキストを読む必要があります。
過去問集(アウトプットの量)について
実際に速習講座で合格された方のインタビュー動画をみると、過去問集を9周くらいして合格されています。
アガルート過去問集の問題数・解説の量等は市販のものに比べて同等か少し多いくらいでしたのでアウトプットの量的には十分なのかなと思います。
ただ、私はアガルートの過去問集が合わなかったので市販の過去問集を使いました。
せっかく買ったのにもったいないなとは思ったのですが、アガルート過去問集は行間が狭く、解説の文章も白黒のみで太字や下線もなく読みづらかったです。
これ、気にならない人は全く気にならないんだろうな…。私の目が悪いんだと思います。
ちなみにLECのウォーク問を中心に勉強しました。
過去10年分の問題に正答率も載っているので、問題ごとの重要度がわかってよかったです。
白黒だけど太字や下線で重要箇所を教えてくれるので読みやすかった。

リンク先は2021年のものになっていますが、じきに2022年度版が出るはずなので、購入の際はお間違えのないように・・・
模試について
8月中旬にアガルートの模試が届きました。
伊藤塾やLECとは違って記述の採点サービスはないですが、解説講義が他校と比べてボリュームが大きいのがアガルートの特徴のようです。
私はアガルートのものに加え、LECの会場模試や市販模試もやりました。
記述について
記述の過去問解析講座は、豊村先生ではなく林先生が担当です。
熱のこもった講義が特徴の豊村先生とは対照的な理路整然とした感じの先生でした。
はじめは記述への取り組み方が全く分からなかったのですが、解答に至るまでのプロセス(問題文の検討→知識の抽出→文章による表現→推敲)を各ステップごとに丁寧に解説されていたのでわかりやすかったです。
ちなみにアガルート生はFaceBook上で講義に関する質問ができるのですが、その質問に回答してくれるのも林先生でした。
全体を通して
不合格濃厚(何回いうんだ)の私が何を言っても…と思うのですが、アガルートの速習講座自体には満足しています。アガルートの講義で学んだ知識を自分の脳にもう少し焼き付けていれば合格できたんだろうな~と思います。
速習カリキュラムで学習する方は本試験までにどれだけ自分の学習時間を確保できるかが大切になってくるように思います。
私の場合、5月から学習をはじめて、平均して1日3時間程度勉強していました。試験直前は5~6時間くらいかな。
総学習時間は600時間弱くらい。模試では10月まで点数が伸びず、本試験直前期(2週間前とか)にいきなり点数がとれるようになりました。模試で合格点とれたときもあったのに…
(学習時間は人によってそれぞれなので、参考程度にどうぞ。)

合格報告できなくて残念だけど、アガルートありがとな・・・
独学では難しかったであろう法律知識ゼロの状態からイチにする作業を講座を通して得ることができたかなと思うので、今後の知識の肉付けや反復等は独学でやっていこうと思います。

これからは独学でがんばるよ。
サラバ アガルート
それでは、簡単にメリットとデメリットをまとめて終わりたいと思います。
④私が感じたメリットとデメリットのまとめ
アガルート行政書士 速習講座のメリット
- 入門総合講義にくらべ、価格が安い
- 入門総合講義とおなじ、全額返金制度あり
- 時間がない人向けにややコンパクトになった講義数だがインプットの量と質に関しては満足
アガルート行政書士 速習講座のデメリット
- 憲法・商法が苦手な人にとってはカットされた講義分が不安になるかも
- 過去問集に対応した解説講義がついていないので、講義視聴後に問題を解くとはじめはややパニックになる→慣れるしかない!
アガルートのメリット
- 講義がわかりやすい
法律なんて勉強したことない!という方には豊村先生の講義が合いそうだと思います。法律用語をくだけた言葉に言い換えて説明してくれるのと、純粋に話が面白いので長時間聞いていても苦にならないです。 - 受講料が他校に比べて安い
受講料は割引キャンペーンなどで時期によって変わるみたいなのでここには書きませんが、伊藤塾やLECより安くて、スタディングより高いという印象です。 - 合格した場合の全額返金制度あり
合格してYoutubeのインタビュー動画に出れば講座代金全額返金してもらえるというユニークな制度があります。(条件の詳細は公式HPをご覧ください。)
アガルートのデメリット
- 過去問集が使いにくい
(→行間が狭く読みにくい。私だけの問題かもしれない…)
合わせて読みたい
令和4年度行政書士試験についての記事はこちら